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2010年7月

2010年7月13日 (火)

今大会のスペイン

スペイン優勝で幕を閉じたワールドカップでしたが、

ユーロの時よりパスが廻らなくなった、スペインの選手の調子

が悪かったのだろうか?デルボスケさんの采配のせいとか、

よーかいさんが思っておられるようなので、

今回はよーかいさん宛へのエントリーです。

まずパスが回せる状態、ポゼッションしてる状態について

その前提となるリスク管理について書きますが、

サッカーではマイボールの状態と相手ボールの状態、

どちらが失点のリスクが高いのでしょうか?

自分の認識では危険度は、

マイボールで中盤でパスを回す状態>リトリートして相手ボ

ール状態という図式が成り立ちます。

4-4-2とか4-2-3-1とはフォーメーションと呼ばれる

ものは一般に守備の為の配置を表すのに近い布陣なので、

実際は最初の選手並びに過ぎないのですが、

中盤でパスを回す場合、

例えば4-4-2の場合中盤の4を中心にパスを回す事にな

ります。

その中盤、特に真ん中で奪われるミドルカウンターでは守備

の砦は最終ラインの4人だけに、実質CBの2人+キーパー

の計3人が殆ど守る事になり、守備力が大きく落ちます。

もし中盤でなく最終ライン付近で奪われれば、さらにリスクが

上がります。

中盤の守備ブロックも相手ボールホルダーがブロックより

前にいてこその中盤のブロックの意味があり、

ブロックの裏にボールが入れば無意味になると、

中盤がお城の堀だと考えれば、最終ラインは本丸、キーパー

は殿様を守る親衛隊のような感じでしょうか?

本丸内でのボールロストは即、城の陥落に繋がります。

自分はポゼッションしてパスを回すサッカーを日本代表のサッ

カーに推してますが、パスを中盤でたくさん回す行為は実は

かなりリスクを伴う行為で、だから中盤でのパス回しは必要

最小限に早く攻撃地点のサイドに運ぶ為の役目だけにして

できるだけ早くリスクの少ないサイドからの攻撃にもっていき

たいというのが本来セオリーだと、

ポゼッションサッカーのオシムさんでも、ドイツのレーブさんで

もそう考えているのだと思います。

中盤でパスを回す行為をリスクを考えない愚かな行為だと

考えてる監督も守備的な監督では多いのではと思います。

だからパスが回るのは見る分には面白いですが、

実はリスクを背負っている行為だと。

そしてマイボールで自陣中盤でパスを回すくらいなら、

相手ボールにしてしまいリトリートして守備陣形を維持し、

相手のミスを狙う方がリスクなく、カウンターの方が得点にも

繋がりやすいと、

攻撃側だと攻撃と守備を両立しないといけませんが、

守備だけならバランスを考える必要なく守備に専念すれば良

いわけで、

だから引いて守るチームが多くなります。

サッカーではパスを回せてるチームの方が有利に運んでいる

のかといえば必ずしもそうではなく、

守ってる方が楽だから、ボールを持たせてくれるシーンの方が

実は多かったりするので、

中盤で華麗にパスを回してるチームほど結構よく負けます。

ボールを回す、パスが多いのは、相手深くに侵入し、

弱点を確実に突けてない限りは有利でも何でもないと、

そんな感じでしょうか。

なぜなら攻撃で前に出ていく場合、自分たちのハラワタという

べき弱点(ゴールまでのコース)を相手にさらして前に出て行

ってる訳で、全員でゴールへの道筋を塞いでる守備的なチー

ムの方がリスクは少ないのは当然で、

ボールをたくさん持って攻撃してるから有利なんだというのは

表面上そう見える事が多いだけで、

実は勝負面では全く違う状況で、むしろ実情では不利で押さ

れてると見なす場合の方が多いぐらいなのです。

すなわちスペインのパス回しは本来のリスク管理のセオリー

とは真逆に近いサッカーだともいえるやり方だと思います。

これを踏まえて今回のワールドカップを見ると、

グループリーグではまだまだ選手のコンディションが良くなく

調子や状態がイマイチだったというのはよーかいさんと同意

ですが、決勝トーナメントになってからは選手の調子が悪か

ったとは自分は感じませんでした。

イニエスタの判断が大会期間中遅いと思ってたぐらいで、

他の選手は万全だった感じを持ってます。

なのにパスがユーロの時よりあまり廻らなかったのは何故な

のか?

システムですがユーロの時は多くの試合で4-1-4-1か、

4-2-3-1でした。

クアトロなんとかの4人の創造的プレイヤーを並べるやり方は

守備面でのカバーが不十分なのでユーロの時もセスクが先発

を外れる試合が多かったと記憶しています。

今回は4-2-3-1でしたが、4-2-3-1というのは攻撃

の時は多くの場面でボランチ1人が上がり4-1-2-3のい

わゆる4-3-3へ変化します。

今回のスペインは特にこの変化が頻繁でした。

Photo_3

今回のスペインの攻撃の特徴はアンカーのシャビアロンソを

残して、4-1-5のような形で、

ボランチの選手とトップ下の選手が上がったうえでサイドに開

いて、

サイドから個人でFWのようにドリブルで仕掛けるのが特徴だ

ったという事で、

本来サイドから仕掛けるウインガーはその少し下に位置して

この2人のドリブラーのボールロストに備え、下の位置でカバ

に入って守りに備え、

トップ下とボランチのドリブラー選手が相手のサイド守備にぶ

つかった時、裏を回ればいける状況では、そのタイミングで外

を回ってサイドを前に出て行きパスをもらってサイドアタックの

続行を仕掛けるやり方になってました。自分がデルボスケさ

んのやり方が興味深いと以前書いたのは、

リスクを背負いたくないので中盤での回しは抑え気味にして、

中盤の攻撃的選手が早い段階でサイドに流れてサイドアタッ

カーのようになり、そこを起点に人数をかけないでドリブルで

攻めていたからで、

相手に掴まればさらに大外のウインガーが追い越し、

サイド攻撃をドリブルで引きけ継がせるそんなやり方でした(こ

れがオシムさんには気に食わないらしいです・笑。グループ

で崩すのではなくあくまで人数をかけない個人突破だったか

ら、特にドリブルの多いイニエスタにはドイツ戦など辛らつな

物言いで、自分なら換えていたとか、エゴイストとか言ったほ

どでした。オシムさんはサイド攻撃の時、リスクを負ってもSB

も上げて、SHに加え、場合によってはFWや中盤のボランチ

までも使って人数をかけて完全に相手サイドを崩しきる、制圧

するのが好きなようです。ただこれは好みもありますし、

カウンターのリスクが結構高いですけど。オシムさんのサッカ

ーはそういう意味でカウンターがやっぱり一番の弱点かと)

ちなみに今回スペインのサイドバックはリスク管理の為か普通

は攻撃の形に関与しないようなシステムだったと感じました。

これがまたオシムさんには気に入らないのでしょう。

話を戻して、

中盤でパスが回らないのではなく、早めに中盤の選手がサイ

ドに開く形で攻撃してたので中盤にはディフェンダー4人+アン

カーだけで中盤が出払っており、

パスがユーロの時のような回す人数がいなかったのが主因だ

ったと感じてます。

またDFが中盤でボールを回すのはリスクが高すぎます。

さてセスクが入ると何故パスが回るようになったのかというと、

シャビ・アロンソとセスクでは同じアンカーでもタスクが違った

という事に感じ、

守備に専念するシャビ・アロンソと膠着状態を打開したい、

得点が欲しい時に出すセスクの負っているタスクの違いとい

えばよいのか、

セスクが出ると何が変わるのかといえば、

Photo_4

先ほどまでサイドに開いていた攻撃的なMFがやや低めの

中に入り、セスクが底でトップの選手とのダイヤを形成、

ウインガーが前に出ての3トップに変化する事で、

セスクによる1つ前への配給力とかチラすパス能力を利用し、

その1つ前チャビのラストパスやスルーパスなどの攻撃を増

やすようチェンジする戦術だったという事で、

スルーパスはカットされればロングカウンターに繋がるので

リスクが少しあるやり方だといえますが、

セスクが入るとパスが回るようになったというのは、

リスクを増やして中盤でパスを回して、トップの選手やウイン

ガーの選手が裏抜けするタイミングを計ってからの攻撃を増

やすようなった、これは点を取りにいったという事で、

その為に相手守備の隙をうかがい穴を作る為のパス回しで

ありました。

すなわち中盤の選手が中に増えたから回りだしたという事

でもあると思います。

ではドイツ戦に何故パスが良く回ったのかといえば、

Photo_6

序盤は中盤を3枚のブロックにしてさらにウインガーを下げて

横方向に5枚の選手を並べる事で5人の中盤がドイツのエジ

ルへのパスを分断、さらにはボールを奪う事をメインタスクに、

してたように見られ、さらにサイドへの配給もサイドのトライア

ングルの守備で分断、囲んで奪うという駆け引きが見られま

した。

エジルとミューラー(この日はいない)に当て、そこからサイド

に振って、SBの上がりと合わせてウインガーがサイド攻撃を

使うのが(すなわちこちらは人数をかけたオシムさん好みの

サイドの崩しでありますが)、ドイツの得意パターンだったの

を逆用し、

パスを途中で分断してマイボールにしたスペインは、

1トップのビジャがサイドに開きながらボールをもらい3つ上の

攻撃の形が整うまでマイボール後はパスをまわしながら時間

を作り、サイド攻撃パターンへ持っていくという形が攻防の

中で展開されてました。その後ビジャはサイドアタッカーにな

り実質0トップ状態で、

Photo_7

2ボランチでエジルへのパスは相変わらず分断し、

両サイド2人ずつ攻撃手を配置する事でドイツのサイドバック

とウインガーを自陣の守りに釘付けにする事で、それまでドイ

ツが得意としてたサイドバックが上がってウインガーと2枚で

相手サイドを攻略する形を封じ込めたと、作戦勝ちだったと、

サイドに相手選手を押し込め守備一辺倒にした後は、

Wボランチと攻撃的MFの4人が中盤でパスを面白いほど回

して相手が自陣から出てくるのを誘い、それゆえパスがこの日

はよく回ったと、

そして隙を見てサイドからドリブル突破や裏への抜け出しスル

ーパスを仕掛けていく、そんな印象でした。

ここまでスペインの大まかなディテールを書いてきましたが、

狙いという意味でも大まかなディテールなので瞬間瞬間は

当然違いますし、

選手間のポジションチェンジもありますし、

細かな部分はこの記述と違う部分もありますが、

例えば攻撃の始まりはビジャへの縦パスを通してからテンポ

アップの合図になりサイド攻撃が始まるとか、

でも狙いとしてはこういったやり方だったという事で、

中盤の選手が多くないのでユーロの時ほどパスが回らなか

った、それだけリスク管理が第一だったと、

そしてここまで見てお解りかと思いますが、最後に点を決める

アタッカーのポジションがサイドの組み立てに人を取られて手

薄で、だからポゼッションしてサイドアタックをたくさん仕掛けら

れる割に点が取れないやり方でもありました。

それを覚悟してもまずは失点しない事を重視してると(ここも

オシムさんには気に入らないようです、リスクを負っても人数

かけてグループで、すなわちコレクティヴな攻撃をしろという

のが、オシムさん好みで、スカパーでオシムさんの反応と言

葉はその辺りの事をしきりに文句いってましたねえ・笑。

スペインがやらないでどうするんだぁ!みたいな感じで。)

それでも自分は勝つ為に攻撃的に行きながらも今までよりリ

スク管理を重視したデルボスケさんのやり方もよく解ります。

勝つという結果を残すのがやっぱり大事ですから。

結局そんなサッカーだったから華やかさが減ったと感じてま

す。

もちろん南アフリカのピッチが悪いので中盤でのパス回しはミ

スが出やすいのでそれをメインにして相手を誘うのはリスクが

高いので、そういう現実をみれば、より確実なサッカーをさせ

たという事なんだと私は思います。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

追伸

参考までにユーロの時の4-1-4-1スペインです。

ボールを保持するときは、

両SBが高いので普通の4-1-4-1らしくない布陣です。

守備の時はきちんと2列に4人が並ぶ4-1-4-1になりま

すが…。

サイドバックの攻撃参加も今大会よりは多く関与しており、

その配置図を見るといかにもパスが中盤で回せそうだと…、

それが解るかと思います。

Yurosupein

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2010年7月 3日 (土)

スポナビ

ここに来てくださる奇特な(失敬!)皆様、いつも有難うござい

ます。

実は最近危ない事を始めまして、、、、

スポナビさんというお庭でこっそりひっそりやってます。

ここと両方に書くのは時間的に厳しいので、

更新ペースがさらに落ちそうです。

もっとも来週中にもアチラを炎上させるかも、

すぐにここだけの状態へ戻ってくるかもしれませんがw

秘密行動なのでとりあえず今はリンクを貼りませんが、

よかったら見つけて生ぬるく見守ってください。

では!

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